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ラウンチング法とイメージ法の比較

電波を直進する光線とみなして伝搬経路を探索する方法がレイトレーシング法ですが、 伝搬経路の探索法にはラウンチング法とイメージ法の二種類があります。
ラウンチング法は送信点から多数のレイを飛ばして経路を追跡し受信点の近くを通るものを拾う方法、 イメージ法は鏡像原理を利用して壁の反射点を求める方法です。
EEM-RTMの旧バージョンでは反射回数の小さい伝搬経路をイメージ法で、反射回数の大きい伝搬経路 をラウンチング法で計算していましたが、現在は、ラウンチング法を改良してイメージ法と 同じ結果が得られるようになりましたので、 計算時間を考慮してすべてラウンチング法で計算しています。 ただし、回折波のみは直進せず、受信点が与えられて初めて伝搬経路が決まりますので、 反射点をイメージ法で計算しています。
なお、いったん伝搬経路が求まれば、その他の因子(反射係数、透過係数、回折係数、伝搬損失、 送受信アンテナ利得)はラウンチング法とイメージ法には無関係ですので 同じ処理を行っています。

比較項目 ラウンチング法 イメージ法
伝搬経路の精度
(EEM-RTMでは厳密な伝搬経路であるかどうかを再度チェックすることによって 精度を向上させています)
反射回数と計算時間の関係 計算時間は反射回数に比例します。(最大10-20回も可能) 計算時間は壁の数の反射回数乗に比例します。(実用的には2-3回が限度)
壁の数と計算時間の関係 計算時間は壁の数に比例します。(大規模モデルも可能) 計算時間は壁の数の反射回数乗に比例します。(壁の数と反射回数のトレードオフ)
回折+反射波の計算 不可
(EEM-RTMではこのケースに限りイメージ法を使っています)
透過波の計算
送信点の数と計算時間の関係 計算時間は送信点の数に比例します 計算時間は送信点の数に比例します
受信点の数と計算時間の関係 計算時間は受信点の数に比例します 計算時間は受信点の数に比例します
必要メモリー ある程度必要 (最初に伝搬経路の枝をすべてメモリーに保存しますが通常10-100MBのオーダー) 少ない
計算上のパラメータ ・送信点から出射するレイの数 (実在する伝搬経路は有限個ですので必要以上にたくさんのレイを飛ばす必要はありません)
・受信円の半径(EEM-RTMでは最適値に自動設定されています)
なし

計算時間の一例

最大反射回数 ラウンチング法[秒] イメージ法[秒]
13.00.3
23.56.2
33.91022
44.3未計測

計算モデル:建物数=35、壁の数=211、観測点数=1000、回折波あり、周波数=1GHz
計算機:Core 2 Duo 2.0GHz、並列計算OFF

図1 計算モデル(観測線は図の緑線)


図2 観測線上の受信電力分布(:ラウンチング法、 :イメージ法)