HOME EEM-RTM

多重反射の偏波特性

図1のように2枚の壁にはさまれた空間を考え、手前に送信点、向こうに受信点をとります。
壁による多重反射のために、図1のような伝搬経路が存在します。
図で、赤は直接波、青は一回反射波、緑は二回反射波、黒は三回以上反射波です。
ここで、最大反射回数を6回としていますので、伝搬経路は、直接波以外に、 両側に対称に6本ずつ、計13本存在します。

図2(1)-(4)は壁の材質を完全導体としたときに遅延プロファイルです。
図2(1)は、送信アンテナと受信アンテナの偏波を両方垂直または両方水平としたものです。
図2(2)は、垂直偏波と水平偏波としたものです。 偏波が直交するために受信電力はゼロになります。
図2(3)は、両方を円偏波とし、回転方向を同じにしたものです。
完全導体を反射すると円偏波の回転方向が反転しますので、偶数回反射波のみが観測されます。
図2(4)は、両方を円偏波とし、回転方向を反対にしたものです。
この場合は、奇数回反射波のみが観測されます。

図3(1)-(4)は壁の材質を誘電体(比誘電率=5,導電率=0.1S/m)としたときの遅延プロファイルです。
壁に反射する毎に減衰しますので、図3(1)のように遅延プロファイルの減衰度が大きくなります。
また、円偏波の反射波には、同じ回転方向成分が混合しますので、図3(3)(4)からわかるように、 回転方向の選択性が弱くなります。

入力データ (右クリック+保存)


図1 多重反射の伝搬経路

図2(1) 垂直・垂直または水平・水平偏波の遅延プロファイル(完全導体)

図3(1) 垂直・垂直偏波の遅延プロファイル(誘電体)

図2(2) 垂直・水平または水平・垂直偏波の遅延プロファイル(完全導体)

図3(2) 垂直・水平または水平・垂直偏波の遅延プロファイル(誘電体)

図2(3) 右旋・右旋または左旋・左旋円偏波の遅延プロファイル(完全導体)

図3(3) 右旋・右旋または左旋・左旋円偏波の遅延プロファイル(誘電体)

図2(4) 右旋・左旋または左旋・右旋円偏波の遅延プロファイル(完全導体)

図3(4) 右旋・左旋または左旋・右旋円偏波の遅延プロファイル(誘電体)