HOME EEM-FDM

導波管と吸収境界条件の関係

無限に長い導波管を計算するには、導波管を有限の長さで切断し、 切断面(開口面)に吸収境界条件を設定する必要があります。

図1は同軸導波管変換器の計算モデルです。左の側面は切断された開口面、右の側面は短絡終端です。 終端の手前で同軸線の内導体が導波管内に挿入されています。
開口面は計算領域の境界に接しています。

FDTD法の吸収境界条件にはMurとPMLの二種類がありますが、 Murでは波の速度に真空中の光速(を媒質の比誘電率の平方根で割ったもの)を用います。 しかし、導波管の中では位相速度は自由空間とは異なり、かつ周波数分散を持ちます。
図2、図3はMurのときの反射係数の周波数特性(周波数は1-3GHz)と、 2.5GHzでのH面(水平面)の中心面での電界分布図です。
図2より、反射係数が周波数について振動します。 図3より、開口面の手前に定在波が見られ、開口面での不要な反射が存在することがわかります。

一方、PMLのときの計算結果(図4,図5)では、反射係数の周波数特性は滑らかであり、 電界分布は基本モード(TE01)の進行波だけからなり、開口面での不要な反射は見られません。

なお、本ケースのカットオフ周波数は1.5GHzであり、 図2,4ではカットオフ周波数が正しく計算されていることがわかります。

以上から、無限に長い導波管を計算するには、導波管を境界面に合わせて切断し、 吸収境界条件にPMLを設定すればよいことがわかります。

◆入力データ:sampleのcoax2wg.fdm

図1 同軸導波管変換器(左は開口面、右は終端)

図2 反射係数の周波数特性(Mur, 1-3GHz)

図3 H面電界分布図(Mur, 2.5GHz)

図4 反射係数の周波数特性(PML, 1-3GHz)

図5 H面電界分布図(PML, 2.5GHz)