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モノポールアンテナの給電モデル

ここでは同軸線路の内導体にアンテナを接続したものをモノポールアンテナと呼びます。
モノポールアンテナの給電モデルとして、より実際に近い同軸給電モデルと、 これを簡略化したギャップ給電モデルがほぼ等価であることを示します。
これによりモノポールアンテナの給電モデルは簡易なギャップ給電モデルでよいことがわかります。
なお、同軸線路は 矩形同軸線路 とします。
また、アンテナとしては以下の2通りを考えます。

1. 単純モノポールアンテナ

図1に同軸給電モデルを示します。
同軸線路内に固有モード(TEM波)が励振されるように4個の給電点を置きます。
給電点と線路出口の中間に観測点を置くと入射波と反射波が分離され、 これから反射係数(S11)が計算されます。
図2にギャップ給電モデルを示します。
同軸線路は中身の詰まった完全導体とし、アンテナの基部に給電点を置きます。
給電点での電圧と電流から入力インピーダンスが計算され、 さらに給電線路の特性インピーダンス(ユーザーが指定します)から反射係数Γが計算されます。


図1 同軸給電モデル

図2 ギャップ給電モデル

図3、図4に両モデルのに電界分布と磁界分布を示します。
外部の電界と磁界は給電モデルによらずほぼ同じであることがわかります。
これから放射パターンは給電モデルによらないことがわかります。


図3 電界分布

図4 磁界分布

図5に計算領域の下部のX方向観測線上の電界分布と磁界分布を示します。
Ex成分とZ0*Hy成分が図上でほぼ完全に一致し、その他の成分は十分小さくなります(Z0=120π[Ω])。 これから同軸線路の外部では波動インピーダンスが自由空間と同じTEM波が伝搬することがわかります。


図5 観測線上の電界分布と磁界分布(Z=-80mm、ギャップ給電モデル)

図6に両モデルの反射係数を示します。
同軸給電モデルの特性インピーダンスは50Ωとなるように設計してあり、 ギャップ給電モデルの特性インピーダンス(ユーザー入力値)は50Ωとしています。
図より両者はよく一致しており、 これからモノポールアンテナの給電モデルは簡易なギャップ給電モデルでよいことがわかります。


図6 反射係数周波数特性(2-4GHz)

なお、単純モノポールアンテナはアンテナ長が0.27λのとき共振し、 共振抵抗は100-200Ωとなります。同軸線路が太いほど共振抵抗が下がります。


◆入力データ: 同軸給電モデル  ギャップ給電モデル

2. 整合モノポールアンテナ

ここでは入力インピーダンスが同軸線路の特性インピーダンス(=50Ω)と一致するアンテナを考えます。
図7、図8はそれぞれの計算モデルです。アンテナ形状以外は単純モノポールアンテナと同じです。
図9に反射係数を示します。両者はよく一致しており、 これからモノポールアンテナの給電モデルは簡易なギャップ給電モデルでよいことがわかります。


図7 同軸給電モデル

図8 ギャップ給電モデル

図9 反射係数周波数特性(2-4GHz)

なお、実用上はモノポールアンテナでは同軸線路の外側に大きな折り返し電流が流れ、 これがアンテナ特性に影響を及ぼしますので、なんらかの工夫(グラウンド板、スリーブなど)により、 この電流を抑制する必要があります。


◆入力データ: 同軸給電モデル  ギャップ給電モデル