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メタマテリアル、IC-SI型

図1は、IC-SI型(interdigital capacitor and stub inductor)型のメタマテリアルの形状です。 両端は通常のマイクロストリップ線路で、その間に複数個のinterdigitalと、 スタブ(先端はビアでグランド板に短絡されている)を交互に接続します。
マイクロストリップ線路の幅は10mm、線路とグランド板の間隔は5mm、 メタマテリアルのピッチは30mmです。指の数は3+3=6本です。基板はなし(空気)とします。
本モデルは構造が複雑で周期的ですので「データ作成ライブラリ」を用いています。
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図1 IC-SI型メタマテリアルの計算モデル
図2は、時間領域差分法のパルスの減衰状況です。減衰が遅く、 タイムステップ数がたくさん必要であることがわかります。 計算時間は約30秒です(CPU、2コア)。

図2 平均電磁界の収束状況
図3は、Sパラメータの周波数特性です。
0.55GHzがカットオフ周波数となり、それ以上の周波数で透過することがわかります。
透過域でのS21は-2dB以上であり、文献[1]の"balanced design"であることがわかります。

図3 Sパラメータ周波数特性(0-2GHz)
図4は、周波数1.0GHzでの、線路真上の線分上でのEz成分の振幅と位相分布です。
IC-SI部(図の矢印の内側)では位相の傾きが正であり、左手系であることがわかります。
この場合のように、左手系であることを判定する最も簡単な方法は、 線分に沿った電界または磁界分布の位相の傾きを調べることです。
なお、周波数1.0GHzでは、ピッチ(30mm) << 波長/4(75mm)であり、 文献[1]の"homogeneity"(均質性:メタマテリアルの必要条件)を満たしています。

図4 線分上の電界分布、振幅と位相(赤)(1.0GHz)
図5は、周波数1.6GHzでの、線路真上の線分上でのEz成分の振幅と位相分布です。
通常の媒質(右手系)では進行方向(+X)に伝搬する波はexp(-jβx)に比例し、 位相の傾きはこの図のように負になります。(給電点=図の矢印より右の部分)

図5 線分上の電界分布、振幅と位相(赤)(1.6GHz)
図6は、周波数1.0GHzでの、線路真上の面上(Z=20mm)でのEz成分の振幅分布です。
時間変化の動画 はこちらです。
左方向(進行方向と反対)に伝搬することがわかります。

図6 電界分布(1.0GHz)
図7は、周波数1.6GHzでの、線路真上の面上(Z=20mm)でのEz成分の振幅分布です。
時間変化の動画 はこちらです。
右方向(進行方向と同じ)に伝搬することがわかります。

図7 電界分布(1.6GHz)
図8は、線路から放射される遠方界放射パターンです。 周波数1.0-1.8GHzの、XZ面のパターンです。
線路からleaky-wave(漏れ波)が放射され、 周波数が上がるにつれて位相速度が負から正に変わるために、 放射パターンがbackfire-broadside-endfireと変化することがわかります。

図8 XZ面放射パターン、周波数特性(1.0-1.8GHz)

[1] C.Caloz and T.Itoh. "Electromagnetic metamaterials, transmission line theory and microwave applications", Wiley-Interscience, 2006.