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高誘電材料の計算

誘電体の誘電率が高くなると空気との境界での波長の不連続度が大きくなり、 差分法にとっては厳しい条件になります。
一般的には媒質内波長に合わせてメッシュサイズを小さくする必要がありますが、 系の共振性を考える場合は、誘電率が高くなると共振周波数が下がりますので、 結果的には誘電率が高くなっても同じメッシュが使えます。

ここでは図1のような、誘電体ブロックにループアンテナを巻いたケースを考えます。
誘電体ブロックは一辺5mmの立方体とし、ループアンテナの周囲長=20mmとします。
パルス波形はループアンテナのために微分ガウスとしました。
パルス幅はEEM-FDMの既定値は空気を想定していますので、 誘電率が高いときは既定値の数倍が適当です。
また、誘電率が高いときに収束を加速するために仮想抵抗=20Ωを設定しています。

誘電率を変えて計算した結果が下の表です。
ここで、共振周波数は入力アドミッタンスの実部が最大になる周波数としました。
また、Δfは入力アドミッタンスの実部の半値幅です。
共振周波数の比誘電率=1のときとの比(f0/f)が波長短縮率になります。 下の表のように、誘電体と空気との平均(=(√Er+1)/2)にほぼ近くなります。 (厳密には、誘電率が高くなると少し補正が必要です)
また、誘電率が高くなると、共振のQ(=f/Δf)が急激に大きくなり、 共振抵抗が急激に小さくなることがわかります。

比誘電率Er共振周波数f[GHz]f0/f(√Er+1)/2f/Δf共振抵抗R[Ω]
116.90(=f0)113.8125
411.531.471.51823
98.352.0221003
255.233.2337000.3
493.784.47415000.09
812.955.72520000.06

図2,図3に比誘電率=1,81のときの入力アドミッタンスの周波数特性を示します。
図4に比誘電率=81のときの収束図を示します。このように差分法が悪条件でも 収束が頭打ちにならないように計算条件を設定することが大切です。

◆入力データ: 比誘電率=1比誘電率=81 (右クリック+保存)


図1 計算モデル

図2 入力アドミッタンス(比誘電率=1,10-20GHz)

図3 入力アドミッタンス(比誘電率=81,2.9-3.0GHz)

図4 収束図(比誘電率=81)