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金銀粒子の吸収スペクトル

光の領域における金や銀などの金属は誘電率が分散性を持ちます。
EEM-FDMでは分散性のある物体の誘電率を指定するには、 次式のような拡張Debye-Drudeパラメーターを指定する方法と、 周波数ごとの誘電率を数値テーブルで指定する方法があります。
ここでは前者の方法を「分散式」、後者の方法を「分散表」と呼びます。


計算方法は、分散式では[時間領域(パルス)]、分散表では[時間領域(正弦波)]を使用します。 前者では1度の計算で周波数特性が得られ、後者では周波数の数だけ計算を繰り返す必要があります。
図1と図2は金と銀の分散式と分散表[1]です。
分散式のパラメーターは図の中央付近で合うように決定しています。
Au : ε=18.72, ae=1.345e18, be=-ae, ce=2.096e14
Ag : ε=5.266, ae=2.593e18, be=-ae, ce=8.203e13

図1 Auの分散式と分散表

図2 Agの分散式と分散表

図3は金または銀の球に平面波が入射するモデルです。 +X方向からE=1V/mの垂直偏波が入射します。


図3 散乱問題の計算モデル (計算領域=80nm、球の半径=10nm、セルサイズ=1nm)

図4と図5は金と銀の全損失(Loss, 単位:dBW)と後方散乱断面積(BCS, 単位:dBm2)のスペクトルです。 数値はポスト処理の[周波数特性]のpost.logから得られます。
これから金では510〜520nm、銀では350〜360nmで共鳴することがわかります。
図において実線の分散表と破線の分散式はよく一致しています。 これから、適当な分散パラメーターを選ぶことによって、 [時間領域(パルス)]で1度の計算でスペクトルが得られることがわかります。


図4 Auの全損失と後方散乱断面積のスペクトル

図5 Agの全損失と後方散乱断面積のスペクトル

◆入力データ(右クリック+保存): AuAg_Au_pulse.fdm, AuAg_Au_sine.fdm, AuAg_Ag_pulse.fdm, AuAg_Ag_sine.fdm
◆分散表データ: Au.txt, Ag.txt (data\dispersionフォルダに置く)

[1] P. B. Johnson and R. W. Christy, "Optical Constants of the Noble Metals," Physical Review B, vol.6, no.12, 1972.