多層板反射透過係数計算プログラム Ver.2.0

●計算機能
・複数の平板から成る系に対する電磁波の反射係数と透過係数を計算します。
・入射角特性と周波数特性を計算・表示することができます。
・計算方法はF行列法(多層板分割法)です。 (EEM-RTM理論説明書の5章参考)
・磁性体は計算できません。

●使用方法
・計算する平板の数だけ、左端をONにして、それぞれ、比誘電率(>0)、導電率(>=0)、厚さ(>=0)を入力します。
・平板の数は5枚までです。
・[入射側]と[出射側]の比誘電率(>0)を入力します。
・[入射角特性]の[周波数]を入力して[計算]をクリックすると、0-90度の入射角特性が計算・表示されます。
・[周波数特性]の開始周波数を左に、終了周波数を右に、入射角を上に入力して[計算]をクリックすると、周波数特性が計算・表示されます。
・[厚さ]の単位は[m][mm][um]から選択することができます。
・[周波数]の単位は[MHz][GHz][THz]から選択することができます。
・光学領域では比誘電率は屈折率の2乗です。
・比誘電率の虚部と導電率の関係:εr" = σ / (ω * ε0) (ε0=8.854e-12[F/m])

●出力結果
・図には4本の線が表示されます。それぞれTE入射の電力反射係数と電力透過係数、 TM入射の電力反射係数と電力透過係数です。色については左下の説明の通りです。
・TE入射またはS偏波とは、電界ベクトルが入射方向と反射方向の作る面に垂直な場合、 TM入射またはP偏波とは、電界ベクトルがその面内にある場合を意味します。
・入射角=0度が垂直入射を意味します。
・-20dB,-40dBは電力比1/100,1/10000です。

●計算例
計算例(1)
初期状態の計算結果
比誘電率=2、厚さ=10mmの一枚の板。両側は空気。
下の図では、入射角=0度のため偏波特性がなく、2つの線が重複する。
計算例(2) 2媒質
平板を一つも指定しないとき、2媒質の計算(Fresnel公式)になる。
TM入射にはBrewster角(=atan(√εr)=atan(√3)=60度)が存在する。
なお、出射側の損失を仮定していないので、2媒質のときは周波数特性がない。
計算例(3) 全反射
2媒質で入射側の誘電率が高いときは全反射が発生する。
その角度はasin(1/√εr)=asin(1/√2)=45度となる。
計算例(4) 無反射板[1]
両端の誘電率が同じで、板の誘電率がそれより高く、 その厚さが媒質内波長の半分の整数倍であるとき、垂直入射の反射係数が0になる。
周波数3GHzでの比誘電率4の媒質内波長の半分=25mmとなり、 上の図では垂直入射の反射係数が0となっている。 下の図ではその周波数の整数倍で反射係数が0となっている。
計算例(5) 無反射板[2](コーティング)
板の誘電率が両端の誘電率の積の平方根で、 その厚さが媒質内波長の1/4の奇数倍であるとき、垂直入射の反射係数が0になる。
周波数3GHzでの媒質内波長の1/4=17.7mmとなり、上の図では垂直入射の反射係数が0となっている。 下の図ではその周波数の奇数倍で反射係数が0となっている。
計算例(6) 金属板と無反射吸収板
金属板(完全導体)を設定するには導電率に適当に大きな値を与える。 このとき透過係数は0になる。
背後に金属板を置き、その前面に適当な損失(導電率)の一枚の板を置き、 その厚さを媒質内波長の1/4より少し大きくしたとき、垂直入射の反射係数がほぼ0になる。
透過係数0であるから、反射係数0ということはすべて吸収されて熱に変換されることを意味する。
計算例(7) スケール則
前項において、厚さを1/1000倍、導電率を1000倍、周波数を1000倍にすると同じ結果が得られる。
これは電磁界のMaxwell方程式のスケール則による。

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