7.13 低姿勢ヘリカルアンテナアレー

ヘリカルアンテナのアレーを考えます。([9] Chapter17)
最初にアンテナ単体を計算します。
図1,図2に巻き数=10,2のアンテナ形状と電流分布を示します。 無限に広いグラウンド板を考えています。
図1(b)から巻き数2まで進行波が減衰し、そこからモードが変わります。
図2のモデルは減衰部分のみを取り出したものです。
図3に図2モデルの放射パターンを示します。 +Z方向に円偏波を放射することがわかります。指向性利得は9.2dBiです。 これは低姿勢(4.8mm=0.19λ12)でありアレーアンテナの単体モデルとして適しています。


(a) アンテナ形状

(b) 電流分布 (12GHz)
図1 巻き数10

(a) アンテナ形状

(b) 電流分布 (12GHz)
図2 巻き数2

(a) XZ面

(b) YZ面
図3 放射パターン (巻き数=2, 12GHz)

次に、図4は図2のアンテナを同心円状に多数並べたアレーアンテナです。
n周目に6n個のアンテナを並べます(n=1,2,3,..)。 従って全体でN周のときのアンテナの数は3N(N+1)個です。
ヘリカルアンテナの特長を生かして、 各アンテナを機械的に回転させると放射電界の位相を変えることができます。
ビームの中心を+Z方向から+X方向にθtilt傾けるには、 各素子の中心のX座標をxiとすると、 時計周りに360(xi/λ)sinθtilt[度]回転させます。
図5にチルト角=0,30度のときの放射パターンを示します。 文献[9]のFigure17.7に似ています。 ビームを傾けると別の方向にサイドローブが現れます。(Srad=動径方向のアレー間隔)
図6にチルト角を変えたときの指向性利得を示します。 文献[9]のFigure17.6(ケースa)に似ています。
図7にZ=10mm面の電界のZ成分の位相分布を示します。同じ色が等位相面を表します。 左は中心から同心円で広がるために+Z方向に放射し、 右は等位相面がX軸と垂直であるためにビームの中心がX方向に傾きます。
文献[9]では各アンテナの垂直部をプローブとして円筒形の空洞に挿入することによって給電しています。 円筒形内では周囲に行くほど電界が弱くなるのでプローブ長を長くするなど調整することにとって、 各素子に均一な電力を供給する必要があります。


図4 アンテナ形状 (グラウンド板あり, N=11, 素子数396、図の使い方は4.4参照)


(a) チルト角=0度

(b) チルト角=30度
図5 放射パターン (11.85GHz, XZ面, N=11, Srad=1.75cm)
図6 チルト角と指向性利得の関係 (11.85GHz, N=11, Srad=1.75cm)

(a) チルト角=0度

(b) チルト角=30度
図7 電界分布 (Ez成分の位相, 11.85GHz, Z=10mm面, N=11, Srad=1.75cm)

◆入力データ(右クリック+[保存])
Helical_2turn.omm, Helical_10turn.omm, HelicalArray_Na396_0deg.omm, HelicalArray_Na396_30deg.omm

◆データ作成ライブラリ用ソースコード(右クリック+[保存])
HelixArray.c